ACLSプロバイダーコースといえば
・受講に2日間かかる&受講料が高い
・医師ばっかり受講してるんじゃない?
・難しそう
なんてイメージを持つ方も少なくありません。そこで、受講までには至らない方や受講を悩んでる方に少しでも魅力が伝わるよう、今回はACLSで学習する全体像をお見せします。
ACLSコースの全体像
まず、心停止という急変がメインとなるのは言うまでもありません。
2次救命処置ですので、BLSに加えて薬剤やモニター心電図の判読、マニュアル式除細動器を用いながら"チーム"として心停止患者に対応していきます。
ここまではICLSと一緒です。
ACLSの違う部分は心停止前の対応が学習できます。
ACLSがICLSコースと違う部分
まず講義とディスカッションを通してACSや脳卒中の対応も学びます。
ここも実はアルゴリズムとなってますので、プレホスピタルから病院での治療に至るまでの流れが分かりやすく描かれています。
この部分は、医師や救急領域の看護師、救命士などにとっては馴染みが深く得るものも大きいと思いますが、ACSや脳卒中患者が入院しない病棟の看護師にとってはややイメージしにくい部分でもあります。
ただし、病棟に入院している患者がACSや脳卒中を発症する可能性はゼロではありません。
年間6万人程度が心臓突然死(いわゆるVF)で亡くなっており、原因疾患としてACSは外せません。
また脳卒中も死因の上位を占めていることからも、初期対応のポイントを抑えておくに越したことはありません!
以上のことから、なるべく臨床で活用できるような講義とディスカッションを心がけています。
ACLSは救急や循環器専門医だけのコースではない
さて、その後のシミュレーションでは、呼吸停止している患者や頻拍や徐脈の患者の対応を学習します。
患者の状態が安定しているのか?不安定なのか?体系的アプローチ(詳細はこちら)で判断しながら各アルゴリズムを使い分け実践していきます。
ただし、ACLSは心停止を前提としていますので、どんなに正しい対応をしていても心停止になります。
心停止になったら心停止アルゴリズムに移行に…
やがてROSCしますので、今度はROSC後ケアへ…
その中に、効果的なチームダイナミクスや簡潔な病歴聴取のテクニックが入ってくるので、シミュレーションを通じて学習していきます。
ACLSはこの状況ではどのアルゴリズムを使えばいいのかな?
なんてことを判断しながら進めていきます。
アルゴリズムに沿っていくことからも、救急や循環器領域の専門家のためのコースというより、急変時に最低限行動してほしい内容です。
急変対応.netのACLS1日コースとは?
さて、改めましてACLSプロバイダーコースといえば
受講に2日間かかる&受講料が高い
当会以外にも1日コースはたくさんあります。マニュアル式除細動器を用いないことやBLS資格を必須としないことなど、あらゆる工夫で受講料は平均相場より低価格で提供してます。
>医師ばっかり受講してるんじゃない?
これは開催団体によります。当会では受講生のほとんどが看護師です。もちろん医学生、医師、救命士など他職種の方も受講できます。
>難しそう
看護学生も受講できます!テキストを読んだだけだとなんとなく曖昧ですが、シミュレーションを通して実践形式で学習できますのでご安心ください。また、復習参加などフォローアップもありますので難しい感じたら、いくらでも参加できます。
さいごに
急変対応に必要なのは急変回避です。この辺の学習は急変対応セミナーやKIDUKI、PEARSなどが良いかと思われます。
しかし、最初から状態が不安定な患者対応をしなければならない状況はたくさんありますし、心停止という最悪な事態に対応するためのスキルは必須だと思いますので、早めに獲得しておくことをおすすめします。