救急カートの
薬調べなきゃ
どうやって調べるの?
ググります
皆さんもこんな経験ありませんか?
または、後輩に薬を調べてくるように指導していませんか?
実はこれってあまり効果的じゃない!!と思ったので記事にしてまとめてみました。
この記事は、救急カートの薬剤を調べようと思っている"新人看護師"から"指導者の皆さん"の効果的な学習に繋がることを目的にしています。
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救急カートの薬剤はいつ覚えるのか?
救急カートを開けるとこんな感じです。

新人の頃、救急カートの薬剤を調べるよう言われました。
配置されている薬剤を全部メモして実際に調べましたが、今ひとつ繋がらなかったのを覚えています。
月日が経過した今、改めて新人看護師の気持ちになって添付文書を調べてみました。
まず、救急カートで外せない薬剤「アドレナリン」と「ノルアドレナリン」について

アドレナリン(ボスミン)とノルアドレナリンについて(添付文書より)
全然わからん!!
着目してほしいのは、
アドレナリンは蘇生時に通常1mg(1ml)を急速静注するんですが、添付文書上は用法が違うんですね。
ノルアドレナリンは"低血圧や各種ショック"と書いてありますが、見比べるとよく分からないのが正直なところ。
そこで
分かりやすく用途をまとめたよ!

救急カートの薬剤は、まずこの2つを絶対覚えましょう!!
これぐらいざっくりでも構いません。
(ノルアドレナリンに関しては収縮期血圧だけでなく平均血圧や臓器潅流の概念を認識しておくと良いです)
もちろん、救命センターやICUなどNADを日常的に使う部署で働いていれば、イメージ付くんですよね。
心停止も然りです。心停止中はアドレナリン(AD)を使用するだろうし、自己心拍再開(ROSC)したら循環動態のよってはNAD使うかな?という思考になります。
でも、普段使い慣れない部署の看護師にとってはイメージがつきにくいので「救急カートの点検と薬を紐付けて覚えさせる」だけでは非常にナンセンスだと感じました。
救急カートの薬剤を覚える改善案
さて、改善策を考えてみます。
1.上記の薬剤はBLSトレーニングに含める
疾患や病態(状態)から薬剤を結びつけるのが良いと思うんですが、普段使い慣れないと正直忘れちゃいます。なので、心停止という最悪の事態に備えるにはトレーニングに薬剤も組み込んだほうが安全上好ましいと思います。だって、院内の場合「薬を用いた二次救命処置」をやるんですからね。
2.その他の薬剤について
部署で起こりやすい急変の状態や状況を考えてみましょう。もし分からなければ、先輩に聞いてみてください。合わせてカート内でよく使う薬剤も聞いてみるのも良いかも。
曖昧な答えが返ってきたら使用頻度は少ないのかも知れませんし、分かってないのかも知れません。また、その状態で「必要な対応」も合わせて聞いたり、調べてみましょう。
最後に、これまでも「アドレナリン」をテーマにした記事や動画、「アトロピン」や「ドパミン」などを使うかも知れない"徐脈"という場面の対応方法をまとめています。
薬は(更には心電図も)単体で調べて覚えるより、まず対応。
その後は疾患とセットで覚えると良いと思います。
今回は救急カートで外せない薬剤のアドレナリンとノルアドレナリンの2つをまとめてみました。
アドレナリンの詳細や「アドレナリンとノルアドレナリンの誤投与」は別の記事を参考にしてください。
📔【急変時の対応】心停止で使う"アドレナリン(ボスミン)"の効果と理由
📔蘇生時に『アドレナリン』を投与するところノルアドレナリンを投与した事例から考える急変対応
その他の使用頻度が高いかも知れない薬剤としては、アトロピンやリドカイン(キシロカイン)、カルチコールなどがありますので、それはエマナス™を御覧ください。