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【ACLS】頻拍のアルゴリズムを紹介【看護師向け】

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ACLSの事前学習や事後学習としてご活用ください。

AHA ACLSにおける頻拍のアルゴリズムとは

ACLSプロバイダーマニュアルを開くとこう書かれています。

不安定な頻拍に対するアプローチ
【はじめに】 
頻拍患者の管理の鍵は脈拍があるかどうかを見極めることである。脈拍があれば患者の状態が安定しているか、または不安定か判断し(略)

ACLSプロバイダーマニュアルP130

大事ですね。

いかなる時も体系的なアプローチ(初期評価)に基づいてアセスメントしていきますが、呼びかけても反応がなく、顔色も悪い患者の心電図モニターの画面と血圧(測定)に気を取られていたら、実はpVT、PEAだったなんてことが起きる可能性があります。

なので、第一印象の評価やBLSアセスメント、もしくは一次アセスメントに基づいて心停止なのか、非心停止なのか判断することが重要と言えます。

これは徐脈のアルゴリズムでも全く一緒なので覚えておいてください。

その頻拍は安定か不安定か?

脈拍がある頻拍患者の管理としては、安定か不安定か評価していきます。

さて問題です。

心電図モニターのアラームがなり画面のようなリズムを示しました。

安定と不安定どちらの頻拍でしょう?

いかがでしょう?

答えは"判断できない"となります。

なぜなら、心電図のリズムによって
安定or不安定なのかを決めてるのではなく、以下の自他覚症状から判断していきます。

低血圧
急性意識障害
ショックの徴候
虚血性胸部不快感
AHF

不安定な頻拍の病態生理としては、拍動が速すぎる、もしくは拍動が有効ではないため心拍出量が低下しているという点が問題になることを認識しておきましょう。

頻拍の治療

不安定な頻拍

不安定な頻拍患者の管理は通常、薬物は使用しません。直ちに同期電気ショックをすることが推奨されます。

※同期電気ショックとは心再分極(T波)の間は脆弱性のためショックによってVFが引き起こされる可能性があるのでこれを回避するためのものです。センサーを使用してQRS幅のピーク(R波の最も高い点)とショックを同期させます。

安定した頻拍

患者の状態が安定している場合は、心電図を評価しQRS幅が広いか狭いか、および規則的か不規則か判断します。

狭いQRS幅の規則的なリズムの場合、迷走神経刺激やアデノシンを投与していきます。

ACLSインストラクターの皆さん。

なぜACLSコースの中で、安定した頻拍から心停止に移行するのかわかりますか?

アデノシンによる心リズムの影響だと思っている人も多そうですが、実は呼吸不全による心停止を想定したシナリオなんですね。インストマニュアルのシナリオを読めば書いてあります。だからこのシナリオだけPEAからスタートするんです。

そんなアデノシンについてもプロバイダーマニュアルにはその辺りのことが丁寧に記載されています。

アデノシンは妊婦に投与しても安全かつ有効と記載されているものの、気管支痙攣の原因になることがあるため、喘息または慢性閉塞性肺疾患を有する患者、特に喘息発作のある患者には投与しない

ACLSプロバイダーマニュアルP143

2次アセスメントのSAMPLEのMやP:既往歴、内服歴が大事ですよねぇ。

さいごに

さて、今回は頻拍のアルゴリズムを紹介しました。
大事なのは安定か不安定か判断することですが、もう一つあります。

それは、不明な点や不安な点があれば同時並行で専門医に相談することです。
もちろん不安定な頻拍の場合はその猶予もないので、躊躇わずに同期ショックが優先されるわけです。

また、今回の話はACLSコースにおける"アルゴリズム"の内容です。臨床で診療する場合(特に専門医も)、このアルゴリズムは当てはまらないことも多々あることは覚えておきましょう。

とはいえ、安定か不安定か判断するポイントやその後の治療の流れを想像できるのとできないとでは全然違うと思いますので、役立つことを期待しています。

ではまた!

【ACLS】頻拍のアルゴリズム

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