ACLSの事前学習や事後学習に活用してください。

徐脈は通常心拍数が50回/分未満と定義されます。
臨床的な基準としては以下の3つです。
1.心拍が遅い
2.患者に症状がある
3.症状は徐脈によるものである
アルゴリズムを進めていく上での重要な概念としては、患者の循環が"良好"か"不良"なのか見極めていくことにあります。循環が良好な場合はモニタリングと観察に進みますが、不良の場合は治療に進みます。
状態評価のポイントは、心拍数と血圧だけを循環の判断材料にしているわけでないことを認識しましょう。
意識障害や心筋虚血に伴う徐脈として胸部不快感などが存在する場合もあります。徐脈が患者の症状を引き起こしているかどうか、または致死的な疾患により徐脈を引き起こしている可能性をアセスメントしていきます。
また、専門治療というより破綻している循環に対する初期対応、つまり専門医に相談するまでの一時しのぎと捉えたほうがピンと来るかもしれません。
徐脈管理の基礎
徐脈に対する初期対応としては、
プロバイダーマニュアルに書かれている内容に集約されています。
□徐脈によって引き起こされる自他覚症状と徐脈とは無関係なものを鑑別すること
□房室ブロックの存在及び型を正しく診断すること
□第一選択の薬物療法としてアトロピンを用いること
□経皮ペーシング(TCP)をいつ開始するか決定する
□心拍数及び血圧を維持するために、いつアドレナリンまたはドパミンを開始するか決定する
□複雑なリズム解析、薬物、または管理に係る決定について、いつ専門医への相談を行うべきかを認識する
さらにTCPを思考するための技術及び注意事項を知っておく必要がある
臨床的には、症候性徐脈を認識できれば細かい心電図リズムの判断ができなくても問題ないかもしれませんが、洞性徐脈と房室ブロックの定義と特徴を覚えておきましょう。
さいごに
頻拍のアルゴリズムにも書きましたが、突然心電図モニターのアラームがなった場合や初期対応するときに、PEA(無脈性電気活動)の存在は抑えておきましょう。
この脈拍のある徐脈なのかPEAなのかは初期評価の結果判断できます。
患者の外観に異常がなかったり、反応がある場合はピットフォールにハマりませんが、外観に異常があり反応がない場合、脈拍を触知しない限り判断できません。
もちろんここには"呼吸"などもはいってくるわけですが、我々は血圧やSpO2を無意識に頼りすぎているため、体系的なアプローチを修得しているとはいえないのかもしれません。
BLSの研修でやっている反応の確認はどのような場合に使うのか?
体系的なアプローチでは何を評価しているのか?
この辺りを整理すると見えてくると思います。
ではまた!!
You Tube動画
頻拍のアルゴリズムについてはこちら


