「SpO2は95%だから大丈夫」「呼吸数を数えていなかった」「stridor(吸気性喘鳴)を喘鳴(wheeze)と思っていた」——呼吸困難は、看護師が病棟で出会う頻度が高く、かつ判断に迷いやすい症状です。SpO2の数字だけで判断すると、急変前のサインを見逃すことがあります。
本記事は、看護師が呼吸困難を見たときの判断軸を保存版でまとめた完全ガイドです。報告3段階(緊急コール/早期報告/相談・経過報告)・5 killer(緊張性気胸・肺塞栓・心不全・アナフィラキシー・喘息/COPD増悪)・呼吸の評価方法・ABCDE評価・SBARテンプレ・ピットフォール・症例3例を網羅しています。
30秒結論|呼吸困難対応の要点
呼吸困難はSpO2の数字だけで判断しないのが鉄則。呼吸数・努力呼吸・呼吸様式・聴診を組み合わせ、ベースラインからの変化を必ず評価。stridor(吸気性喘鳴)を聴取したら気道狭窄=分単位の死と認識し、A評価を最優先します。
🚨 緊急コール(数分単位)|「今すぐ来てください」
呼吸停止 / 急激なSpO2低下+努力呼吸(ベースラインから明らかに低下) / 新規チアノーゼ / SpO2測定不能+意識低下or脈触知不良 / stridor(吸気性喘鳴)+呼吸困難(気道狭窄) / 胸痛・血痰・片側下肢腫脹を伴う(肺塞栓疑い) / 片側呼吸音消失+循環不全(緊張性気胸疑い) / 発疹+気道/呼吸/循環症状の2系統以上(アナフィラキシー)
⚡ 早期報告(15-30分以内)|「早めに診てください」
SpO2 90%未満で酸素投与で改善 / ベースラインから明らかなSpO2低下(COPDなど普段88-92%の患者では普段より明らかな低下) / 呼吸数25以上または8未満 / 呼吸苦あり会話可能 / 努力呼吸軽度 / 起座呼吸傾向 / NEWS2 5-6点
📋 相談・経過報告|「相談・共有です」
バイタル安定だが自覚症状あり / 慢性安定患者でやや変化 / 「いつもと違う」程度 / 酸素なしで安定しているがやや努力呼吸傾向
※持続・進行する場合は「⚡ 早期報告」へ移行を検討。慢性安定患者で普段と比べ明らかな低下があれば、相談レベルで動きながら観察強化。
共通の3ステップ:① ABCDEで評価(特にA:気道狭窄/B:呼吸の質)→ ② SpO2・呼吸数・努力呼吸・聴診(wheeze vs stridor)を取る → ③ 報告3段階のいずれかで医師・先輩に共有。
📍 本記事の位置づけ
本記事は「症状別 急変対応マニュアル(8症状)」の呼吸困難編(個別深掘り)です。「型」を体系的に学びたい方は急変対応の基本(4ステップ)を、他症状を一覧で見たい方は症状別 急変対応マニュアル(8症状)をご利用ください。
目次
Contents
1. 呼吸困難とは|看護師が押さえる3つの理由
呼吸困難は「主観的な息苦しさ」と「客観的な呼吸不全所見」の両方を含む幅広い症状です。看護師が病棟で出会う場面は、SpO2低下のアラーム・患者の「息が苦しい」という訴え・努力呼吸の出現・呼吸数異常など多岐にわたります。
ここで重要なのは、「主観症状」と「客観所見」は必ずしも一致しないことです。SpO2が95%でも患者が強く苦しがっている場合(肺塞栓初期など)もあれば、SpO2が88%でも本人は無症状の場合(慢性COPD安定期など)もあります。看護師は両方を観察し、ベースラインからの変化を捉える役割があります。
看護師が呼吸困難を押さえるべき3つの理由
理由①|心停止の前兆になりやすい
呼吸停止は心停止の直前段階。呼吸状態の悪化は「分単位で介入できる」救命のチャンスでもあり、見逃すと数分で取り返しがつかなくなります。
理由②|病棟で頻度が高い
SpO2モニタリング患者の増加で、SpO2低下のアラームは夜勤帯の悩みTOP。誤検知も多い反面、本物のサインを見逃さない判断軸が必要です。
理由③|鑑別が広い
呼吸困難は気道・肺・心臓・代謝・心因すべてが原因になりうる症状。5 killer(緊張性気胸・肺塞栓・心不全・アナフィラキシー・喘息/COPD増悪)を最初に除外する習慣が命を救います。
看護師がはまる3つの混乱ポイント
混乱①|SpO2偏重
SpO2の数字だけ見て「95%なら大丈夫」と判断してしまう。実は努力呼吸が強ければ、SpO2が保たれていても代償ぎりぎりの可能性があります。SpO2は遅れて落ちる指標です。
SpO2の数字だけ見て「95%なら大丈夫」と判断してしまう。実は努力呼吸が強ければ、SpO2が保たれていても代償ぎりぎりの可能性があります。SpO2は遅れて落ちる指標です。
混乱②|wheeze と stridor の混同
どちらも「ぜーぜー」と片付けがち。wheeze=呼気優位の下気道狭窄(喘息・COPD)、stridor=吸気優位の上気道狭窄(喉頭浮腫・異物)。stridor は分単位の死に直結します。
どちらも「ぜーぜー」と片付けがち。wheeze=呼気優位の下気道狭窄(喘息・COPD)、stridor=吸気優位の上気道狭窄(喉頭浮腫・異物)。stridor は分単位の死に直結します。
混乱③|過換気症候群と決めつけ
若年女性が「息が苦しい・手がしびれる」と訴えると過換気症候群と即断しがち。実は肺塞栓・気胸・代謝性アシドーシス・心因性も同様の症状を示すため、他疾患を除外してから過換気と判断します。
若年女性が「息が苦しい・手がしびれる」と訴えると過換気症候群と即断しがち。実は肺塞栓・気胸・代謝性アシドーシス・心因性も同様の症状を示すため、他疾患を除外してから過換気と判断します。
🎯 教育メッセージ|観察力はセンスではなく「知識」で決まる
人は、意識して見ていない異常を見つけることはできません。
SpO2低下のアラームは誰でも気づきます。しかし努力呼吸・会話量の低下・頻呼吸・呼吸様式の変化・stridorは、「見るべき項目を知っている人」だけが拾える所見です。観察力は経験やセンスで決まるのではなく、「何を見るか」を意識化しているかどうかで決まります。
本記事のセクション2(評価項目)・セクション6(ABCDE)を覚えること自体が、観察力の底上げに直結します。「知らないから見落とす」のであり、「知れば見える」ようになる症状——それが呼吸困難です。
2. 呼吸の評価方法|SpO2・呼吸数・努力呼吸・聴診
呼吸困難の評価は、「単一指標で判断しない」のが大原則。呼吸数・努力呼吸・SpO2・呼吸様式・聴診を組み合わせて、ベースラインからの変化を捉えます。看護師の現場では、努力呼吸の出現が最も早い悪化サインであり、SpO2低下は遅れて出ます。
以下の評価項目は、「意識して見るかどうか」で拾える情報量が大きく変わります。一つずつ意識化することで、観察力は確実に積み上がっていきます。「SpO2は誰でも見えるが、努力呼吸・会話量の低下・頻呼吸は意識して見ている人だけが拾える」という現場の実感は、ここから生まれます。
2-1. 呼吸数(RR:Respiratory Rate)
正常範囲:成人で12-20回/分(目安)。25回以上または8回未満は明らかな異常です。NEWS2スコアでは呼吸数9-11回/分で1点、21-24回/分で2点、25回以上または8回以下で3点(単一項目3点で施設基準に従いRRT/医師へ即連絡)。
呼吸数は最も鋭敏な急変前兆指標(Schein 1990・Cretikos 2008の古典的研究)。にもかかわらず看護記録で抜け落ちやすい項目でもあります。意識的に「1分間しっかり数える」習慣が重要です。
※モニタの呼吸数表示は胸郭インピーダンス由来で、体動・電極外れで実測と乖離することがあります。必ず視診・触診で実数確認を。
2-2. SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)
絶対値:成人で94-98%が目標(BTSガイドライン2017)。慢性高CO2血症リスク患者(COPD・肥満低換気・神経筋疾患)では88-92%が目標。ただし重度低酸素時は酸素投与を優先し、その後速やかに再評価します(漫然と高濃度酸素を継続しない)。
ベースライン視点が重要。COPDで普段88-92%の患者がSpO2 90%でも、「普段より明らかな低下」があれば早期報告対象です。一方、術後初日でSpO2 92%でも普段から呼吸機能低下があれば許容範囲のことも。
⚠️ SpO2の落とし穴
① 末梢循環不良で測定不能:ショック・低血圧・末梢冷感ではSpO2が出ない。「測定不能+意識低下or脈触知不良」は緊急コール。
② 一酸化炭素中毒で偽高値:CO-Hbを酸素化Hbと誤認し、SpO2が99%でも実際は低酸素。
③ マニキュア・ネイル・ペンキで誤差:特に黒・青・緑は赤外光を吸収し低値化。
④ 動脈血ガス(ABG)との乖離:CO2貯留・代謝性アシドーシスはSpO2では分からない。慢性II型呼吸不全患者ではABGで判断。
② 一酸化炭素中毒で偽高値:CO-Hbを酸素化Hbと誤認し、SpO2が99%でも実際は低酸素。
③ マニキュア・ネイル・ペンキで誤差:特に黒・青・緑は赤外光を吸収し低値化。
④ 動脈血ガス(ABG)との乖離:CO2貯留・代謝性アシドーシスはSpO2では分からない。慢性II型呼吸不全患者ではABGで判断。
2-3. 努力呼吸(Work of Breathing)
努力呼吸は呼吸困難の客観的サインの中で最も早く出る指標。SpO2が落ちる前から、患者は呼吸を維持するために代償的に呼吸補助筋を使います。努力呼吸を「がんばってる」とポジティブに評価しないことが重要です。
補助筋使用
胸鎖乳突筋・斜角筋の収縮が見える。首筋が呼吸ごとに動くのが目視サイン。
陥没呼吸
吸気時に鎖骨上窩・肋間が陥没。胸郭が硬い高齢者では分かりにくいので、衣服を緩めて観察。
鼻翼呼吸
呼吸ごとに鼻翼が広がる。意識低下患者では鼻翼呼吸+下顎呼吸が前駆症状。
起座呼吸
仰臥位で苦しく、座位・前傾で楽になる。心不全・COPD増悪の典型サイン。
会話の途切れ
1文で話せず途中で息継ぎするのは中等度以上の呼吸困難。「単語のみ」しか話せない場合は重度。
奇異呼吸
吸気時に胸郭と腹部が逆方向に動く。横隔膜疲労・呼吸停止前の重篤サイン。
📢 会話テスト(重症度の簡易評価)
文で話せる:軽症 / 短文(切れ切れ)で話せる:中等症 / 単語のみ:重症 / 話せない・うなずきだけ:極めて重症=緊急コール。SpO2や呼吸数の前に、患者の「話せる量」で重症度が瞬時に分かります。喘息発作・COPD増悪・心不全急性増悪で特に有用。
2-4. 呼吸様式・チアノーゼ
チアノーゼは還元ヘモグロビン5g/dL以上で出現する遅発性サイン。「チアノーゼが出てから動く」のは遅すぎるのが原則ですが、新規チアノーゼは緊急コール対象です。口唇・舌(中心性チアノーゼ)と末梢(末梢性チアノーゼ)を区別:中心性は低酸素血症、末梢性は循環不全(寒冷・低灌流)が主因。
呼吸様式では、Cheyne-Stokes呼吸(漸増漸減型・心不全/脳血管障害)、Kussmaul呼吸(深く速い・代謝性アシドーシス/DKA)、Biot呼吸(不規則・延髄障害)などのパターンも観察対象です。
2-5. 聴診|wheeze vs stridor が肝
⚠️ stridor(吸気性喘鳴)を見逃さない
stridor は上気道狭窄を示唆する高調音で、吸気優位に聴取されます。原因は喉頭浮腫(アナフィラキシー)・異物・腫瘍・喉頭炎・声帯麻痺など。気道閉塞は分単位の死に直結し、A評価(気道)を最優先に動きます。アナフィラキシーであればアドレナリン筋注(0.1%エピペン or 1mg/mLを0.3-0.5mL大腿外側筋注)を施設の手順・指示で先行、並行して医師報告します。
wheeze(喘鳴)は下気道狭窄のサインで、呼気優位。喘息・COPD増悪・うっ血性心不全(心臓喘息)で生じます。「ヒューヒュー」が吸気か呼気かを意識的に区別することが、看護師の判断力を一段上げます。
crackles(湿性副雑音)
「パチパチ」吸気末に聴取。心不全・肺水腫・肺炎・間質性肺疾患。両側びまん性=心不全/ARDS、限局=肺炎を疑う。
乾性ラ音(rhonchi)
「ゴロゴロ」分泌物・気管支炎・誤嚥。咳嗽・吸引で改善することも。
呼吸音減弱・消失
片側で呼吸音消失=気胸・胸水・無気肺。緊張性気胸では片側消失+気管偏位+循環不全(=分単位の死)。
沈黙の胸郭(silent chest)
重症喘息発作で気流が極度に低下し、wheeze すら聴こえなくなる状態。緊急コール対象。
2-6. 呼吸不全の2タイプとSpO2正常の罠
呼吸不全は低酸素主体(1型)とCO2貯留主体(2型)に大別され、酸素管理の方針が異なります。SpO2は1型を捉える指標で、2型(CO2貯留)はSpO2では分かりません。
1型呼吸不全(低酸素主体)
PaO2 <60mmHg / PaCO2正常〜低下
・肺炎・肺水腫・肺塞栓・ARDS・間質性肺疾患
・酸素投与で改善しやすい
・SpO2目標94-98%
・肺炎・肺水腫・肺塞栓・ARDS・間質性肺疾患
・酸素投与で改善しやすい
・SpO2目標94-98%
2型呼吸不全(CO2貯留)
PaO2 <60 + PaCO2 >45mmHg
・COPD増悪・肥満低換気・神経筋疾患・呼吸抑制薬(オピオイド/ベンゾ)
・酸素過剰投与でCO2ナルコーシスのリスク
・SpO2目標88-92%(重度低酸素は酸素優先→速やかに再評価)
・COPD増悪・肥満低換気・神経筋疾患・呼吸抑制薬(オピオイド/ベンゾ)
・酸素過剰投与でCO2ナルコーシスのリスク
・SpO2目標88-92%(重度低酸素は酸素優先→速やかに再評価)
⚠️ SpO2正常でも油断できない3つの罠
① 肺塞栓初期|過換気で代償しSpO2が比較的保たれることあり。急性発症の呼吸困難+頻呼吸+片側下肢腫脹でPEを疑う。
② 代謝性アシドーシス|DKA・敗血症・乳酸アシドーシスでKussmaul呼吸(深く速い)。SpO2は正常でも分単位で介入が必要。
③ 敗血症初期|頻呼吸でSpO2を維持していることあり。NEWS2スコアで客観化+乳酸測定。
→ SpO2が正常でも、呼吸数・努力呼吸・会話テスト・ベースラインで異常を捉える。
② 代謝性アシドーシス|DKA・敗血症・乳酸アシドーシスでKussmaul呼吸(深く速い)。SpO2は正常でも分単位で介入が必要。
③ 敗血症初期|頻呼吸でSpO2を維持していることあり。NEWS2スコアで客観化+乳酸測定。
→ SpO2が正常でも、呼吸数・努力呼吸・会話テスト・ベースラインで異常を捉える。
⚠️ CO2ナルコーシス(眠気・傾眠は危険サイン)
2型呼吸不全リスク患者(COPD・肥満低換気・神経筋疾患・呼吸抑制薬投与中)に漫然と高濃度酸素を投与すると、低酸素換気駆動が抑制されCO2が蓄積→眠気・傾眠・反応低下・頭痛・羽ばたき振戦が出現します。意識障害として現れるため、D評価で「CO2ナルコーシス?」を念頭に。SpO2が改善しても傾眠・反応低下が出たら緊急コール(ABG・酸素濃度の再評価が必要)。
📍 セクション2の結論サマリー
① SpO2の数字だけで判断しない。SpO2は遅れて落ちる指標。努力呼吸+呼吸数+会話テスト+ベースラインと組み合わせる。SpO2正常でも肺塞栓・代謝性アシドーシス・敗血症初期を見逃さない。
② 呼吸数は急変前兆の最鋭敏指標。1分間しっかり数える習慣を。25以上または8未満は明らかな異常。
③ stridor=分単位の死。wheeze(呼気優位・下気道)と区別し、stridor を聴いたらA評価最優先でアナフィラキシー・異物・喉頭浮腫を疑う。
④ 1型(低酸素主体)と2型(CO2貯留)を区別。2型(COPD・肥満低換気・神経筋疾患)はSpO2 88-92%目標。重度低酸素は酸素投与を優先し、その後速やかに再評価。眠気・傾眠が出たらCO2ナルコーシスを疑い緊急コール。
② 呼吸数は急変前兆の最鋭敏指標。1分間しっかり数える習慣を。25以上または8未満は明らかな異常。
③ stridor=分単位の死。wheeze(呼気優位・下気道)と区別し、stridor を聴いたらA評価最優先でアナフィラキシー・異物・喉頭浮腫を疑う。
④ 1型(低酸素主体)と2型(CO2貯留)を区別。2型(COPD・肥満低換気・神経筋疾患)はSpO2 88-92%目標。重度低酸素は酸素投与を優先し、その後速やかに再評価。眠気・傾眠が出たらCO2ナルコーシスを疑い緊急コール。
3. 報告3段階の判断軸(緊急/早期/相談)
呼吸苦で悩むのは「報告するか」ではなく、どれくらい急いで報告するかです。本サイトでは3段階システムで整理:🚨緊急コール(数分単位)・⚡早期報告(15-30分以内)・📋相談・経過報告。各段階に該当するサインを以下にまとめます。
🚨 緊急コール(数分単位)|「今すぐ来てください」
□ 呼吸停止・死戦期呼吸(あえぎ呼吸)|心停止に直結 → 直ちにCPR開始
□ 急激なSpO2低下+努力呼吸(ベースラインから明らかに低下)
□ 新規チアノーゼ(中心性)|口唇・舌の青紫色変化
□ SpO2測定不能+意識低下or脈触知不良|末梢循環不良の可能性高
□ stridor(吸気性喘鳴)+呼吸困難|気道狭窄=分単位の死
□ 片側呼吸音消失+循環不全(緊張性気胸疑い)
□ 急性発症の呼吸困難+胸痛・血痰・片側下肢腫脹(肺塞栓疑い)
□ 発疹+気道/呼吸/循環症状の2系統以上(アナフィラキシーが念頭)
□ silent chest(沈黙の胸郭)|重症喘息発作・気流極度低下
□ 奇異呼吸・下顎呼吸|呼吸停止前の重篤サイン
□ NEWS2合計7点以上または単一項目3点|施設基準に従いRRT/医師へ即連絡
□ 急激なSpO2低下+努力呼吸(ベースラインから明らかに低下)
□ 新規チアノーゼ(中心性)|口唇・舌の青紫色変化
□ SpO2測定不能+意識低下or脈触知不良|末梢循環不良の可能性高
□ stridor(吸気性喘鳴)+呼吸困難|気道狭窄=分単位の死
□ 片側呼吸音消失+循環不全(緊張性気胸疑い)
□ 急性発症の呼吸困難+胸痛・血痰・片側下肢腫脹(肺塞栓疑い)
□ 発疹+気道/呼吸/循環症状の2系統以上(アナフィラキシーが念頭)
□ silent chest(沈黙の胸郭)|重症喘息発作・気流極度低下
□ 奇異呼吸・下顎呼吸|呼吸停止前の重篤サイン
□ NEWS2合計7点以上または単一項目3点|施設基準に従いRRT/医師へ即連絡
⚡ 早期報告(15-30分以内)|「早めに診てください」
□ SpO2 90%未満で酸素投与により改善|原因評価が必要
□ ベースラインから明らかなSpO2低下|COPDなど普段88-92%の患者では普段より明らかな低下
□ 呼吸数25回以上または8回未満|単一項目3点
□ 呼吸苦あり会話可能|努力呼吸軽度・補助筋使用なし
□ 起座呼吸傾向|心不全・COPD増悪を疑う
□ 聴診上のwheeze・cracklesの新規出現
□ NEWS2合計5-6点|呼吸関連項目で複数加点
□ 慢性安定患者で「いつもと違う」+客観所見あり(呼吸数増加・努力呼吸軽度)
□ ベースラインから明らかなSpO2低下|COPDなど普段88-92%の患者では普段より明らかな低下
□ 呼吸数25回以上または8回未満|単一項目3点
□ 呼吸苦あり会話可能|努力呼吸軽度・補助筋使用なし
□ 起座呼吸傾向|心不全・COPD増悪を疑う
□ 聴診上のwheeze・cracklesの新規出現
□ NEWS2合計5-6点|呼吸関連項目で複数加点
□ 慢性安定患者で「いつもと違う」+客観所見あり(呼吸数増加・努力呼吸軽度)
📋 相談・経過報告|「相談・共有です」
□ バイタル安定だが自覚症状あり|SpO2・呼吸数・努力呼吸ともに正常範囲
□ 慢性安定患者でやや変化|普段との比較で軽度の差
□ 「いつもと違う」程度|看護師の直感+客観所見軽度
□ 酸素なしで安定|やや努力呼吸傾向だが会話・歩行可能
□ 不安・心因性が疑われる(他疾患を除外した上で)
□ 慢性安定患者でやや変化|普段との比較で軽度の差
□ 「いつもと違う」程度|看護師の直感+客観所見軽度
□ 酸素なしで安定|やや努力呼吸傾向だが会話・歩行可能
□ 不安・心因性が疑われる(他疾患を除外した上で)
⚠️ 安全弁:相談レベルで出した症状でも、持続・進行する場合は「⚡ 早期報告」へ移行を検討。高齢者では肺塞栓初期・心不全初期・COPDからのCO2ナルコーシス初期がこの段階で隠れていることがあります。
4. 5 killer|命に関わる呼吸困難の主要原因
呼吸困難の鑑別は広く、すべてを覚えるのは現実的ではありません。看護師がまず除外すべき5つのkillerを意識することで、急変の見落としを減らせます。「分単位で命に関わる原因」を最初に否定するのが鉄則です。
Killer ①|緊張性気胸(Tension Pneumothorax)
典型サイン:急性発症+片側呼吸音消失+気管偏位(健側へ)+SpO2低下+血圧低下+頸静脈怒張。中心静脈穿刺後・人工呼吸管理中・外傷後・COPD増悪時に発症することがあります。確定診断を待たず、針脱気(第2肋間鎖骨中線/第4-5肋間前腋窩線)が必要。緊急胸腔ドレナージへ。看護師は気管偏位・頸静脈怒張・片側呼吸音消失を観察し、即座に医師へ。
Killer ②|肺塞栓(PE:Pulmonary Embolism)
典型サイン:急性発症の呼吸困難+胸痛+SpO2低下+頻脈+片側下肢腫脹(DVT)。長期臥床・術後・骨折・がん・経口避妊薬・妊娠/産褥が危険因子。「胸痛+呼吸困難+下肢腫脹」のセットでPEを強く疑います。SpO2が比較的保たれていても呼吸困難が強い場合、PEを除外する習慣を。心電図ではS1Q3T3パターン・右脚ブロック・aVR/V1のST上昇など。Wells score・改訂Geneva score・PERC ruleが補助に。
Killer ③|心不全急性増悪/急性肺水腫
典型サイン:起座呼吸+両側crackles+JVD(頸静脈怒張)+ピンク色泡沫状痰+冷汗。既往(高血圧・心筋梗塞・弁膜症・心房細動)・水分過剰・塩分過多・アドヒアランス低下が誘因。NPPV(BiPAP)+硝酸薬+ループ利尿薬の早期介入で改善しやすいため、迅速な評価と医師報告が予後を左右します。「夜中に苦しくて起き上がる」「枕を高くして寝る」は発作性夜間呼吸困難・起座呼吸の典型訴え。
Killer ④|アナフィラキシー
典型サイン:発疹/蕁麻疹+stridor/喘鳴+血圧低下+腹部症状(2系統以上の症状で診断)。誘因は薬剤・食物・造影剤・ハチ刺傷など。第一選択はアドレナリン筋注(0.1%エピペン or 1mg/mLを大腿外側筋注。成人0.3-0.5mg、5-15分毎反復可)。施設の手順・包括指示・特定行為の範囲内で動きながら医師報告します。抗ヒスタミン薬・ステロイドはアドレナリンの代替にならない(補助治療)。
Killer ⑤|喘息発作・COPD増悪
典型サイン:既往あり+wheeze(呼気優位)+呼気延長+補助筋使用+会話の途切れ。silent chest(沈黙の胸郭)・SpO2低下・徐脈・意識低下は重篤化サイン=緊急コール。COPD増悪では慢性高CO2血症がベースのため、酸素投与はSpO2 88-92%目標(漫然と高濃度酸素はCO2ナルコーシスのリスク)。ただし重度低酸素時は酸素投与を優先し、その後速やかに再評価。
🎯 刺さる一文|呼吸困難の見方の決定打
呼吸困難でSpO2が下がってから動くのは、
心停止でモニターVFになってから焦るのと同じ。
その前にサインは出ています。
心停止でモニターVFになってから焦るのと同じ。
その前にサインは出ています。
努力呼吸・呼吸数・会話量・ベースラインからの変化こそが分単位で介入できる急変前兆です。看護師の観察力が、直接救命に結びつきます。
5. 鑑別フレームワーク|気道・肺・心臓・代謝・心因
呼吸困難の鑑別は、「どこ起源か」を意識的に分類することで漏れを減らせます。看護師にとって覚えやすいのは、解剖学的な5系統(気道・肺・心臓・代謝・心因)の整理です。
5系統での鑑別整理
A|気道(Airway)
stridor を聴いたらココ
・喉頭浮腫(アナフィラキシー)
・異物・誤嚥
・喉頭炎・咽後膿瘍
・声帯麻痺・喉頭腫瘍
・気管支喘息(下気道だがwheeze)
・喉頭浮腫(アナフィラキシー)
・異物・誤嚥
・喉頭炎・咽後膿瘍
・声帯麻痺・喉頭腫瘍
・気管支喘息(下気道だがwheeze)
B|肺・胸郭(Breathing)
crackles・呼吸音減弱・wheeze
・肺炎・誤嚥性肺炎
・気胸・緊張性気胸
・胸水・血胸
・肺塞栓
・ARDS・間質性肺疾患
・COPD増悪・喘息発作
・肺炎・誤嚥性肺炎
・気胸・緊張性気胸
・胸水・血胸
・肺塞栓
・ARDS・間質性肺疾患
・COPD増悪・喘息発作
C|心臓・循環(Cardiac)
起座呼吸+JVD+両側crackles
・心不全急性増悪
・急性肺水腫
・心筋梗塞(左室不全合併)
・心タンポナーデ
・弁膜症急性増悪
・致死性不整脈
・心不全急性増悪
・急性肺水腫
・心筋梗塞(左室不全合併)
・心タンポナーデ
・弁膜症急性増悪
・致死性不整脈
M|代謝・全身(Metabolic)
Kussmaul呼吸+SpO2正常
・代謝性アシドーシス(DKA・乳酸アシドーシス)
・敗血症
・貧血(Hb急低下)
・甲状腺機能異常
・腎不全
・代謝性アシドーシス(DKA・乳酸アシドーシス)
・敗血症
・貧血(Hb急低下)
・甲状腺機能異常
・腎不全
P|心因・他(Psychogenic)
他疾患を除外してから
・過換気症候群
・パニック障害
・不安症
※必ず器質的疾患を否定してから判断。若年女性でも肺塞栓・気胸はある。
・過換気症候群
・パニック障害
・不安症
※必ず器質的疾患を否定してから判断。若年女性でも肺塞栓・気胸はある。
看護師が優先して疑うTOP6(頻度+重症度)
① 心不全急性増悪(起座呼吸・JVD・crackles)|高齢・既往あり
② 肺塞栓(急性発症+SpO2低下+片側下肢腫脹)|術後・長期臥床
③ 肺炎・誤嚥性肺炎(発熱+crackles+食事関連)|高齢・嚥下障害
④ COPD増悪・喘息発作(既往+wheeze+呼気延長)|呼吸器既往
⑤ 気胸/緊張性気胸(片側呼吸音消失+気管偏位)|外傷・人工呼吸後
⑥ アナフィラキシー(発疹+stridor+血圧低下)|薬剤投与後・食物
② 肺塞栓(急性発症+SpO2低下+片側下肢腫脹)|術後・長期臥床
③ 肺炎・誤嚥性肺炎(発熱+crackles+食事関連)|高齢・嚥下障害
④ COPD増悪・喘息発作(既往+wheeze+呼気延長)|呼吸器既往
⑤ 気胸/緊張性気胸(片側呼吸音消失+気管偏位)|外傷・人工呼吸後
⑥ アナフィラキシー(発疹+stridor+血圧低下)|薬剤投与後・食物
6. ABCDE評価のポイント(呼吸困難特化)
呼吸困難は「BがメインだけどAも見逃せない」症状です。A→B→C→D→Eの順で評価しつつ、各項目で呼吸困難に特有のチェックポイントを持っておくと判断が速くなります。
A|気道(Airway)|stridor を見逃さない
□ stridor(吸気性喘鳴)|聴取したら気道狭窄=分単位の死
□ 嗄声(声枯れ)|喉頭浮腫の早期サイン
□ 嚥下困難・流涎|喉頭浮腫・異物
□ 口腔・咽頭の浮腫・発赤|アナフィラキシーの初期徴候
□ 異物の有無|食事中の急性発症は窒息を疑う(チョークサイン)
□ 気管偏位|緊張性気胸では健側へ偏位
□ 嗄声(声枯れ)|喉頭浮腫の早期サイン
□ 嚥下困難・流涎|喉頭浮腫・異物
□ 口腔・咽頭の浮腫・発赤|アナフィラキシーの初期徴候
□ 異物の有無|食事中の急性発症は窒息を疑う(チョークサイン)
□ 気管偏位|緊張性気胸では健側へ偏位
B|呼吸(Breathing)|呼吸困難の本丸
□ 呼吸数|1分間しっかり数える(8-25が目安・25以上または8未満は異常)
□ SpO2|絶対値+ベースライン+酸素濃度を併記(例:room airで88%)
□ 努力呼吸|補助筋使用・陥没・鼻翼・起座・会話の途切れ
□ 呼吸様式|Cheyne-Stokes・Kussmaul・奇異呼吸
□ 聴診|wheeze(呼気優位)/crackles/呼吸音減弱・消失/silent chest
□ 胸郭の動き|左右対称か・片側陥没
□ チアノーゼ|中心性(口唇・舌)/末梢性
□ SpO2|絶対値+ベースライン+酸素濃度を併記(例:room airで88%)
□ 努力呼吸|補助筋使用・陥没・鼻翼・起座・会話の途切れ
□ 呼吸様式|Cheyne-Stokes・Kussmaul・奇異呼吸
□ 聴診|wheeze(呼気優位)/crackles/呼吸音減弱・消失/silent chest
□ 胸郭の動き|左右対称か・片側陥没
□ チアノーゼ|中心性(口唇・舌)/末梢性
C|循環(Circulation)|呼吸と循環は表裏
□ 血圧・脈拍・末梢冷感|低血圧+頻脈は重症サイン
□ JVD(頸静脈怒張)|心不全・心タンポナーデ・緊張性気胸
□ 片側下肢腫脹|DVT→肺塞栓を強く示唆
□ 心音|奔馬調・心雑音・心音減弱
□ 毛細血管再充満時間(CRT)|2秒以上は循環不全の補助所見
□ JVD(頸静脈怒張)|心不全・心タンポナーデ・緊張性気胸
□ 片側下肢腫脹|DVT→肺塞栓を強く示唆
□ 心音|奔馬調・心雑音・心音減弱
□ 毛細血管再充満時間(CRT)|2秒以上は循環不全の補助所見
D|意識(Disability)|低酸素脳症の前駆
□ GCS・JCS|呼吸不全→低酸素脳症で意識低下
□ 不穏・落ち着きのなさ|低酸素の初期サイン(本人は「苦しい」と言えないことも)
□ 傾眠・反応低下|CO2ナルコーシスを疑う(慢性高CO2リスク患者で漫然と高濃度酸素のあとに多い)
□ 瞳孔・血糖|意識障害があれば必ず血糖測定
□ 痙攣|低酸素脳症・電解質異常で起こることがある
□ 不穏・落ち着きのなさ|低酸素の初期サイン(本人は「苦しい」と言えないことも)
□ 傾眠・反応低下|CO2ナルコーシスを疑う(慢性高CO2リスク患者で漫然と高濃度酸素のあとに多い)
□ 瞳孔・血糖|意識障害があれば必ず血糖測定
□ 痙攣|低酸素脳症・電解質異常で起こることがある
E|体表・全身(Exposure)|手がかりは皮膚にも
□ 皮疹・蕁麻疹|アナフィラキシーの決定打
□ 下肢腫脹(片側)|DVT→PEを疑う
□ 胸郭外傷・皮下気腫|気胸の手がかり
□ 体温|発熱(肺炎・敗血症)/低体温(重症)
□ 姿勢|起座位・前傾(心不全・COPD)
□ 下肢腫脹(片側)|DVT→PEを疑う
□ 胸郭外傷・皮下気腫|気胸の手がかり
□ 体温|発熱(肺炎・敗血症)/低体温(重症)
□ 姿勢|起座位・前傾(心不全・COPD)
7. SBARテンプレ 3パターン(緊急/早期/相談)
本サイトではRSBAR(R冒頭→B→S/A→R依頼)の現場実装型(4ステップ)を推奨しています。R冒頭は「年齢・性別+主症状/懸念+依頼」を一言で伝え、詳細所見はS/Aで並べるのが自然な流れ。動きながら包括指示・事前指示・特定行為の範囲内で先行対応し、並行して報告するのが現場のリアルです。
📞 まずはこれだけ|入口の一言で緊急度が伝わる
最初の一言で緊急度が伝わると、医師は身構え方を瞬時に切り替えられます。覚えるべきはたった3つです。
🚨 緊急(数分単位・心停止前兆)
「先生、急変です。」
⚡ 準緊急(15-30分以内・早期対応必要)
「先生、〇〇で見てほしいです。」
📋 相談(緊急度低め・迷ったとき)
「先生、相談なんですけど。」
入口の一言の後、年齢・性別+背景+所見+懸念を続けます。緊急時は超短く、準緊急・相談はもう少し詳しく。
⚠️ SpO2は必ず「酸素投与量」とセットで報告
「SpO2 92%」だけでは情報が不足。「room airで92%」と「O2 5L/分マスクで92%」では重症度が全く違います。報告では必ず「酸素流量・投与デバイス・FiO2」をセットで伝えます(例:「O2 3L/分鼻カニュラでSpO2 91%」「リザーバーマスク10L/分でSpO2 88%」)。投与デバイス変更後は必ず再評価し、トレンドで報告。
📌 RSBAR現場実装型|入口の一言から自然に
報告は「入口の一言」から始めます。緊急度に応じた一言で医師の注意を引いてから、年齢・性別+背景+所見+懸念を続けるだけ。初回報告は治療提案より先に観察情報を渡すのが原則です。
🚨 緊急時は超短く(応答を待たず)
看護師:「先生、急変です。SpO2 85%、RR 32、努力呼吸強くて呼吸苦あります。すぐお願いします!」
看護師:「先生、急変です。SpO2 85%、RR 32、努力呼吸強くて呼吸苦あります。すぐお願いします!」
⚡ 準緊急はソフトな入口+続き
看護師:「先生、78歳男性で呼吸苦増悪していて相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「慢性心不全で入院中、夜間から起座呼吸あり。SpO2 91%、RR 28、努力呼吸あり、両側crackles+JVDあります。心不全急性増悪も懸念しています。」
→ 医師の応答に応じて。状態的に必要そうなら「一度診ていただけませんか」と遠慮なく追加で。
看護師:「先生、78歳男性で呼吸苦増悪していて相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「慢性心不全で入院中、夜間から起座呼吸あり。SpO2 91%、RR 28、努力呼吸あり、両側crackles+JVDあります。心不全急性増悪も懸念しています。」
→ 医師の応答に応じて。状態的に必要そうなら「一度診ていただけませんか」と遠慮なく追加で。
📋 相談はゆるい入口
看護師:「先生、相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「80歳男性、COPDで入院中。いつもより息苦しさあって、SpO2 89%(O2 1L/分)、RR 22、努力呼吸軽度+wheeze 軽度。ベースラインから大きな逸脱はないんですが気になっていて。」
→ 医師から指示が出ればそれに沿う。状態的に必要そうなら「一度診ていただけませんか」と遠慮なく。
看護師:「先生、相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「80歳男性、COPDで入院中。いつもより息苦しさあって、SpO2 89%(O2 1L/分)、RR 22、努力呼吸軽度+wheeze 軽度。ベースラインから大きな逸脱はないんですが気になっていて。」
→ 医師から指示が出ればそれに沿う。状態的に必要そうなら「一度診ていただけませんか」と遠慮なく。
📊 SpO2の報告は「呼吸数+呼吸努力」とセットで
SpO2単独より、SpO2+RR+努力呼吸の三点セットが伝わります。「SpO2 91%、RR 28、努力呼吸あり」のように一息で。酸素投与中は「SpO2 91%(room air)」「SpO2 89%(O2 1L/分)」と必ず投与量を併記。
SpO2単独より、SpO2+RR+努力呼吸の三点セットが伝わります。「SpO2 91%、RR 28、努力呼吸あり」のように一息で。酸素投与中は「SpO2 91%(room air)」「SpO2 89%(O2 1L/分)」と必ず投与量を併記。
🤝 報告の最後は会話の流れで決まる(臨床リアル)
「来てください」を毎回つける必要はありません。診ても医師の判断・アクションが変わらない場面では、来ないこともあるのが現実です(口頭指示で対応可能なケース・経過観察方針で十分なケース等)。一方で、状態的に診察が必要そうなのに保留があれば、看護師から「一度診ていただけませんか」と遠慮なく追加で伝えます。「今お時間よろしいですか」は必須ではありません。
「来てください」を毎回つける必要はありません。診ても医師の判断・アクションが変わらない場面では、来ないこともあるのが現実です(口頭指示で対応可能なケース・経過観察方針で十分なケース等)。一方で、状態的に診察が必要そうなのに保留があれば、看護師から「一度診ていただけませんか」と遠慮なく追加で伝えます。「今お時間よろしいですか」は必須ではありません。
所見先行・治療提案は後回し:「○○疑い」と先に言わず、所見を並べた後に「○○も懸念しています」と添える。抗凝固療法・血栓溶解・利尿薬・アドレナリン等の具体的治療提案は、医師の診察後または医師から問われたときに共有(包括指示・施設プロトコルの範囲内では並行先行可)。
🚨 緊急コール例|急性呼吸困難+片側下肢腫脹(肺塞栓を念頭に)
(緊急時は応答を待たず・超短く一気に)
看護師:「先生、急変です!72歳女性、術後3日目で、SpO2 85%(room air)、RR 32、努力呼吸強くて呼吸苦あります。左下肢腫脹もあり、PEも懸念しています。すぐお願いします!」
看護師:「先生、急変です!72歳女性、術後3日目で、SpO2 85%(room air)、RR 32、努力呼吸強くて呼吸苦あります。左下肢腫脹もあり、PEも懸念しています。すぐお願いします!」
※ 入口の「先生、急変です」で医師の身構え方が瞬時に切り替わる。続けてSpO2+RR+呼吸努力の三点セット、必要な追加所見(下肢腫脹)、ソフト診断懸念、依頼を一息で。抗凝固・血栓溶解・CT造影などの治療提案は医師の診察後。応急対応(O2投与・モニター装着)は施設の包括指示・リーダー判断で並行先行。
⚡ 早期報告例|心不全急性増悪
看護師:「先生、78歳男性で呼吸苦増悪していて相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「慢性心不全(EF 35%)で入院中、夜間から起座呼吸出ています。SpO2 91%(room air)、RR 28、努力呼吸あり、両側crackles+JVDあります。心不全急性増悪も懸念しています。」
医師:「いいよ」
看護師:「慢性心不全(EF 35%)で入院中、夜間から起座呼吸出ています。SpO2 91%(room air)、RR 28、努力呼吸あり、両側crackles+JVDあります。心不全急性増悪も懸念しています。」
※ 報告の最後は会話の流れに応じて。医師から指示が出れば従う(利尿薬・O2増量など)、診察に来る判断をすればモニター装着+待機。状態的に必要そうなのに保留がある場合は「一度診ていただけませんか」と遠慮なく追加で伝える。30度ファウラー位+O2投与などの応急対応は施設の包括指示・リーダー判断で並行先行。利尿薬・硝酸薬・NPPVなどの治療提案は医師の診察後または医師から問われたときに共有する。
📋 相談・経過報告例|慢性COPD患者でやや努力呼吸傾向
看護師:「先生、相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「80歳男性、COPDで入院中。普段はO2 1L/分でSpO2 90-92%なんですが、いつもより息苦しさあって、現在SpO2 89%(O2 1L/分)、RR 22、努力呼吸軽度+wheeze 軽度です。ベースラインから大きな逸脱はないんですが訴えが気になっていて。」
医師:「いいよ」
看護師:「80歳男性、COPDで入院中。普段はO2 1L/分でSpO2 90-92%なんですが、いつもより息苦しさあって、現在SpO2 89%(O2 1L/分)、RR 22、努力呼吸軽度+wheeze 軽度です。ベースラインから大きな逸脱はないんですが訴えが気になっていて。」
※ 相談から入る場合は診断懸念は付けず、所見を渡して医師の判断を仰ぐのが自然。最後は会話の流れで:医師から指示が出ればそれに沿う(気管支拡張薬吸入指示など)、経過観察方針なら確認。状態的に必要そうなら「一度診ていただけませんか」と遠慮なく。「持続・進行する場合は早期報告へ移行」を意識し、COPD患者ではCO2ナルコーシス初期がこの段階で隠れることもあるため、傾眠・反応低下を要観察。
8. ピットフォール8つの罠
呼吸困難の判断ではまる典型的な落とし穴を、看護師の現場感に沿って8つにまとめました。どれも「知らないと見えない」罠ばかりです。先回りで知っておくと、現場で意識的に拾えるようになり、急変前兆を見逃しにくくなります。
罠①|SpO2の数字だけで判断する
SpO2は遅れて落ちる指標。努力呼吸+呼吸数+ベースラインを組み合わせて判断。SpO2 95%でも代償ぎりぎりの場合あり。
罠②|努力呼吸を「がんばってる」と評価する
補助筋使用・陥没呼吸・鼻翼呼吸は代償が破綻寸前のサイン。奇異呼吸・下顎呼吸が出たら呼吸停止が目前=緊急コール。
罠③|wheeze と stridor を混同する
stridor=吸気優位の上気道狭窄(分単位の死)、wheeze=呼気優位の下気道狭窄。「ヒューヒュー」が吸気か呼気かを意識的に区別。stridor を聴いたらA評価最優先・アナフィラキシー除外。
罠④|過換気症候群と決めつける
若年女性が「息苦しい・手がしびれる」=過換気症候群、と即断しない。肺塞栓・気胸・代謝性アシドーシス・心因性すべてが同じ症状を示す。器質的疾患を除外してから心因性と判断。
罠⑤|慢性高CO2血症リスク患者で漫然と高濃度酸素を継続する
COPD・肥満低換気症候群・神経筋疾患はSpO2 88-92%目標。漫然と高濃度酸素を継続するとCO2貯留→傾眠→呼吸停止のリスク。ただし重度低酸素時は酸素投与を優先し、その後速やかに再評価する。
罠⑥|起座呼吸=心不全だけと決めつける
起座呼吸はCOPD増悪・気胸・喘息発作でも生じる。聴診・既往・JVD・cracklesの有無で原因を絞り込む。
罠⑦|呼吸数を看護記録で軽視する
呼吸数は急変前兆の最鋭敏指標(Schein 1990・Cretikos 2008)。にもかかわらず「24回/分」など適当に書いてしまうのは危険。1分間しっかり数えて記録。
罠⑧|慢性安定患者の「いつもと違う」を見逃す
COPDで普段88-92%の患者がSpO2 89%でも、普段より努力呼吸が強いなら早期報告対象。看護師の「なんか変」はCioffi 2000の研究でも有意な急変予測因子。数値が正常範囲でも観察強化+医師報告検討へ。
9. 症例パターン3例
実際の現場で出会いやすい3パターンを、報告3段階の温度感に沿って解説します。看護師がどの段階で・どう動くかをイメージするための例です(架空症例)。
🚨 症例1|緊急コール:アナフィラキシー(stridor)
状況:60歳女性、術後抗菌薬の点滴開始15分後、突然「喉が苦しい」と訴えあり。SpO2 92%(room air)、呼吸数28回/分、BP 88/52、心拍数118回/分、両前腕に蕁麻疹、聴診で吸気性のstridorを聴取。
看護師の動き:抗菌薬投与中+蕁麻疹+stridor+血圧低下(2系統以上)という所見の組み合わせからアナフィラキシーが念頭に。まず点滴を止め、リーダーと評価した上でナースコールで応援要請、施設の手順・包括指示の範囲内でアドレナリン0.3mg大腿外側筋注を準備しつつ、動きながら医師へ緊急コール。酸素マスク10L/分開始、生理食塩水で輸液加速、心電図モニター装着。
RSBAR例(緊急時は応答を待たず・超短く):
看護師:「先生、急変です!60歳女性、抗菌薬投与15分後に蕁麻疹+stridor出ています。SpO2 92%(room air)、RR 28、努力呼吸あり、BP 88/52。アナフィラキシーも懸念しています。すぐお願いします!」
看護師:「先生、急変です!60歳女性、抗菌薬投与15分後に蕁麻疹+stridor出ています。SpO2 92%(room air)、RR 28、努力呼吸あり、BP 88/52。アナフィラキシーも懸念しています。すぐお願いします!」
※ 初回報告では治療提案を先行させないのが原則。医師の応答後または施設のアナフィラキシー対応プロトコル・包括指示に基づき、アドレナリン0.3mg大腿外側筋注の指示を仰ぐ(包括指示の範囲内では先行投与+並行報告も可)。
🚨 症例2|緊急コール:緊張性気胸(片側呼吸音消失)
状況:65歳男性、人工呼吸管理中、突然SpO2 78%まで急低下、BP 78/45、心拍数128回/分、右側呼吸音消失、気管が左へ偏位、頸静脈怒張を認める。換気抵抗が急上昇。
看護師の動き:人工呼吸中+片側呼吸音低下+気管偏位+SpO2急低下+血圧低下+頸静脈怒張+換気抵抗上昇という所見の組み合わせから緊張性気胸が念頭に。リーダーへ即報告、応援要請。FiO2 1.0で換気維持、医師へ緊急コール。針脱気・胸腔ドレナージの準備に入る。
RSBAR例(緊急時は応答を待たず・超短く):
看護師:「先生、急変です!65歳男性、人工呼吸中に突然SpO2 78%急低下、BP 78/45。右側呼吸音消失+気管偏位+JVDあり、換気抵抗急上昇しています。緊張性気胸も懸念しています。すぐお願いします!」
看護師:「先生、急変です!65歳男性、人工呼吸中に突然SpO2 78%急低下、BP 78/45。右側呼吸音消失+気管偏位+JVDあり、換気抵抗急上昇しています。緊張性気胸も懸念しています。すぐお願いします!」
※ 看護師の頭の中では緊張性気胸が念頭にあるが、初回報告では治療提案(針脱気・胸腔ドレナージ)を先行させない。FiO2 1.0で換気維持などの応急対応はリーダー判断・施設の包括指示で並行先行。針脱気は医師の診察と判断後、または医師から指示があったときに実施。
📋→⚡ 症例3|相談から早期報告へ段階アップ:COPD増悪
初期状況(相談レベル):75歳男性、COPD既往、普段O2 1L/分でSpO2 90-92%。夜勤帯で「いつもより息苦しい」と訴え。SpO2 89%(O2 1L/分)、呼吸数22回/分、BP 138/82、心拍数92回/分。バイタルはベースラインから大きな逸脱なし。
看護師の動き(初期):相談・経過報告として医師へ電話、観察強化(15分毎バイタル)。「持続・進行で早期報告へ移行」を意識。
30分後の変化:SpO2 86%(O2 1L/分)、呼吸数28回/分、補助筋使用が出現、wheeze 増強、痰の増加と粘稠化。「いつもと違う」が客観所見の悪化として現れた。→ ⚡ 早期報告へ段階アップ。
RSBAR例(段階アップ後・準緊急):
看護師:「先生、75歳男性のCOPDの方が呼吸苦増悪していて相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「COPDで入院中、普段はO2 1L/分でSpO2 90-92%です。30分前から悪化して、現在SpO2 86%(O2 1L/分)、RR 28、補助筋使用+wheeze 増強+痰の粘稠化増加あり。COPD増悪も懸念しています。」
看護師:「先生、75歳男性のCOPDの方が呼吸苦増悪していて相談なんですけど。」
医師:「いいよ」
看護師:「COPDで入院中、普段はO2 1L/分でSpO2 90-92%です。30分前から悪化して、現在SpO2 86%(O2 1L/分)、RR 28、補助筋使用+wheeze 増強+痰の粘稠化増加あり。COPD増悪も懸念しています。」
※ 報告の最後は会話の流れで:医師から指示が出れば従う、状態的に必要そうなら「一度診ていただけませんか」と遠慮なく追加で。COPD増悪では気管支拡張薬吸入・ステロイド・抗菌薬を医師指示で進めつつ、SpO2 88-92%目標で酸素投与調整。傾眠・反応低下が出たらCO2ナルコーシスを疑い緊急コールへ。
FAQ(よくある質問)
Q1. 呼吸困難でまず確認すべきことは?
SpO2の数字だけで判断せず、呼吸数・努力呼吸・聴診(wheeze vs stridor)・呼吸様式・ベースラインからの変化を組み合わせて評価します。特にstridor(吸気性喘鳴)は上気道狭窄=分単位の死に直結し、A評価を最優先に動きます。アナフィラキシー・異物・喉頭浮腫などの除外を最初に。
Q2. SpO2が95%なら大丈夫ですか?
SpO2は遅れて落ちる指標です。SpO2 95%でも努力呼吸が強ければ代償ぎりぎりの可能性があります。呼吸数・補助筋使用・会話の途切れを必ず観察し、ベースラインから明らかに低下しているなら早期報告対象です。SpO2は最後の砦であり、最初に落ちる指標ではありません。
Q3. stridor(吸気性喘鳴)を聞いたらどう動きますか?
stridorは上気道狭窄=分単位の死に直結します。即座にA評価(気道)を最優先し、応援要請、医師へ緊急コール、酸素投与開始、アドレナリン筋注の準備(アナフィラキシーが疑われる場合)に動きます。施設の手順・包括指示の範囲内で動きながら報告します。
Q4. COPD患者でSpO2目標は何%ですか?
COPD・肥満低換気症候群・神経筋疾患など慢性高CO2血症リスク患者ではSpO2 88-92%が目標(BTSガイドライン2017)。漫然と高濃度酸素を継続するとCO2ナルコーシスのリスクがあります。ただし重度低酸素時は酸素投与を優先し、その後速やかに再評価します。
Q5. 過換気症候群と決めつけてはいけない理由は?
若年女性が「息苦しい・手がしびれる」と訴えると過換気症候群と即断しがちですが、肺塞栓・気胸・代謝性アシドーシス・アナフィラキシー初期も同じ症状を示すことがあります。器質的疾患を除外してから心因性と判断するのが原則です。「若いから大丈夫」が最大の落とし穴。
Q6. 起座呼吸=心不全と決めつけていいですか?
起座呼吸は心不全の典型サインですが、COPD増悪・気胸・喘息発作でも生じます。聴診(crackles=心不全 vs wheeze=喘息/COPD)・JVDの有無・既往・誘因を組み合わせて判断します。
Q7. 呼吸数を看護記録でしっかり書く理由は?
呼吸数は急変前兆の最鋭敏指標です(Schein 1990・Cretikos 2008の古典的研究)。SpO2や血圧より先に異常が現れることが多く、しかも看護記録で抜け落ちやすい項目でもあります。1分間しっかり数えて記録する習慣が、早期発見につながります。NEWS2スコアでも呼吸数は3点まで配点されます。
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8症状の判断軸を保存版で。意識障害・呼吸困難・ショック・胸痛・頻脈/徐脈・発熱/敗血症・痙攣・腹痛。
急変対応の基本 基礎
4ステップ(察知→ABCDE→RSBAR→介入)で急変対応の型を身につける。
意識障害対応①
GCS・JCS低下時の判断軸・4大原因・血糖測定・脳卒中疑い対応。
ABCDEアプローチ完全ガイド
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心電図モニター完全ガイド
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敗血症編|NEWS2活用
敗血症・感染症悪化の判断軸。NEWS2スコアの使い方とqSOFA補助指標。
ショック対応
SBP90未満+灌流不全徴候の判断軸。4種ショック分類と看護対応。
学べるコース・教材
呼吸困難の判断軸・SBAR・ABCDEをシミュレーションで体感的に学びたい方には、看護師特化のNCLSコースをおすすめします。心停止「前」を見抜く力(NCLS-EP)は、呼吸困難の早期発見にも直結します。
著者
万波 大悟(MANAMI DAIGO)
急変対応.net 代表 / 診療看護師(NP)
現職
診療看護師(NP)
専門資格
元 救急看護認定看護師
インストラクター
AHA-ACLSファカルティ(提携ITC: JSISH-ITC)
学会活動
日本救急看護学会 評議員
参考文献
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14. 日本救急医学会・日本救急看護学会・日本臨床救急医学会・日本中毒学会. 救急看護ガイドブック.
📝 おわりに|呼吸困難は看護師の観察力で救える
呼吸困難はSpO2の数字だけで判断せず、呼吸数・努力呼吸・会話量・聴診(wheeze vs stridor)・ベースラインからの変化を組み合わせることで、急変前兆を早期に捉えられます。看護師の観察力が直接救命に結びつく症状です。
🎯 最後にもう一度:人は、意識して見ていない異常を見つけることはできません。SpO2低下は誰でも見えますが、努力呼吸・会話量の低下・頻呼吸・stridor は「見るべき項目を知っている人」だけが拾える所見です。本記事の評価項目をひとつずつ意識化することが、観察力をセンスから「型」に変え、直接救命に結びつきます。さらに医師への報告は「所見先行・診断は補足」を意識して、看護師は集めた所見の組み合わせをそのまま渡す役割を担います。
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