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AHA 蘇生ガイドライン2025が公表されました

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はじめに

AHAは2025年10月にCPR/ECCガイドラインを全面改訂しました。本記事では成人ALS(Part 9)を中心に、2020年版からの変更点を整理します。ハイライト文書は日本語でも読めますので参照ください。

https://cpr.heart.org/-/media/CPR-Files/2025-documents-for-cpr-heart-edits-posting/Resuscitation-Science/JN1576_JA_Hghlghts_2025ECCGuidelinesFinal_251021.pdf

主なAHA 蘇生ガイドライン2025の心停止のアルゴリズム

心停止のアルゴリズム自体には日常の蘇生対応を変えるような大きな変更点はありません。

心停止中の原因検索に関連する話題としては蘇生中のエコーについて記載されてました。

POCUSの扱いを明確化中断なく実施できる熟練者に限り「考慮可」(可逆的原因の診断目的)。中断や技能不足があるなら勧めない。 

POCUSとはポイントケア超音波検査(Point-of-Care Ultrasound)でサクッと見る超音波です。心停止中の可逆的な原因の診断目的として中断なく実施できる熟練者に限り「考慮可」となっています。

主なAHA 蘇生ガイドライン2025の要点

心房細動/粗動の同期カルディオバージョン初期エネルギーは「高め(≥200J)」が望ましいと明確化。従来より数値をはっきり提示して推奨の重みが増した。 

DSED(2台の除細動器で連続電気ショック)/ベクターチェンジ(VC)は「有用性未確立」:日常実装は推奨せず、適応・技術最適化の研究課題と位置づけ。

Head-up CPRは臨床試験以外では推奨せず。

POCUSの扱いを明確化中断なく実施できる熟練者に限り「考慮可」(可逆的原因の診断目的)。中断や技能不足があるなら勧めない。 

薬剤投与ルートはIVを第一選択、困難なら骨髄路(IO)と優先順位を明文化(大規模RCTの結果も踏まえ記述を更新)。 

多形性VTは常に不安定 → 直ちに電気ショック(遅延は転帰悪化)と明示。 

ACLS1日コースも準備ができ次第、暫定版2025へ移行

今回は以上です。

自己心拍再開後(ROSC)のケアや徐脈・頻拍についても準備でき次第G2025の内容に触れたいと思います。

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