🫁 30秒でわかる|気管挿管の介助
📋 準備が8割:物品・薬剤・ポジショニング・人員を事前整備
💊 適応のMOVES:Maintain気道/Oxygenation/Ventilation/Expectoration/Shock
🩹 必要物品10点:喉頭鏡・スタイレット・気管チューブ・潤滑剤・カフシリンジ等
👃 ポジショニング:スニッフィングポジション+ベッド高さ調整
✅ 挿管後確認:胃泡音・胸郭挙上・EtCO2波形(食道挿管回避)
⚡ 看護師の役割:物品準備・タイミング調整・固定・記録
🔄 抜管介助:基本は挿管の逆手順、カフ抜去前の吸引が重要
📝 監修・執筆
万波 大悟(まなみ だいご)
診療看護師(NP)/AHA-ACLSファカルティ/元 救急看護認定看護師/日本救急看護学会 評議員
挿管の介助って苦手...
全然やる機会ないし、上手くできるか不安です。
こうした不安を少しでも解決できるように、動画でまとめたよ

はじめに
気管挿管の介助って経験できる頻度がそんなにない場合も多く、苦手意識ありませんか?
私自身なんとなく介助はできるようになった後も、テープの固定方法に自信がなかったり、その後の対応ができるかな?という不安が強かったのを覚えています。
今でもBVM(バッグバルブマスク)で換気不能になったり、挿管困難な症例を経験すると怖いです。
また、新型コロナウイルスでエアロゾルによる感染が問題になることから、気管挿管の優先度があがりました。対応人数を制限したりする場合も多く、経験する機会が少なくなっているケースもあるようです。
まず、基本の流れや原則を理解していくおくことで、気管挿管への不安を軽減していきましょう。気道管理シミュレーターがなくても、必要物品さえあれば介助や固定の練習ができますので、部署で練習したり教育としてスタッフに提供してみてください。
気管挿管の流れ
ここからは動画で紹介できなかったポイントを中心にお伝えします。
準備8割!!
物品の準備だけでなく、薬剤や患者のポジショニング、人的な資源(慣れてる人)も整えよう。
また、どのような状況でエアロゾルが発生しやすかったりするのか理解しておくことも重要。
もちろん挿管の適応や患者の評価が正しくできていないと、予測できないので焦りますし準備も後手後手になります。
それに加えて
「だめだ!!挿管できない!上の先生呼んで!」とか「昨日挿管した人PCR陽性らしいよ」
※PPE装着してなくて出勤停止
なんていう状況は避けたいところです。
1.急変時に気道確保が必要な場合
2.全身麻酔下で気道を確保する場合
3.人工呼吸器管理が必要な場合
気管挿管の適応
- MaintainAirway/Mental Status 上気道の問題/意識障害(GCS≦8)
- Oxygenation 低酸素血症
- Ventilation 換気障害
- Expectoration/Expected course 喀痰不良/今後必要そう
- Shock ショック
準備
- 喉頭鏡
- スタイレット
- 気管チューブの目安
男性:8mm 女性7.5mm
(Frではないので間違えないように) - 潤滑剤
- カフ用シリンジ
- 固定用テープや器具
- 聴診器
- 吸引セット
- バイトブロック(必要時)
- CO2カプノメーター(あれば)
- PPEの装着
- ポジショニング
スニッフィングポジション - ベッドの高さ調整
- 義歯の除去
- 鎮静剤や筋弛緩薬の準備
- 人工呼吸器の用意
実施
🏥 気管挿管介助の手順(看護師の動き)
看護師が現場で動く時の手順を、準備段階から挿管完了まで番号付きで整理します。タイミングが命なので、各ステップで何をすべきかを体で覚えておきましょう。
📋 STEP 1:挿管前の準備
①必要物品10点をトレイに並べる(喉頭鏡ライト点灯確認!)
②吸引器を準備(陰圧確認・吸引カテーテル接続)
③ベッドの高さを調整
④スニッフィングポジション(枕で頭を持ち上げ顎を前に)
⑤義歯・異物の除去確認
⑥モニター(SpO2・心電図・血圧)の表示確認
⑦薬剤(鎮静薬・筋弛緩薬)の準備
💨 STEP 2:挿管直前の換気
①BVMで十分な換気(SpO2 100%近くまで)
②換気困難なら二人法換気を考慮
③薬剤投与(医師の指示に従う)
④筋弛緩の効果発現を待つ(30〜60秒)
🩺 STEP 3:挿管時の介助
①喉頭鏡を医師の左手に渡す(ハンドル部分を先に・ライト点灯状態で)
②気管チューブを医師の右手に渡す(カフ側から・潤滑剤塗布済み)
③必要時BURP法で視野介助(医師の指示に従う)
④スタイレットを素早く抜く(挿管完了後、医師の合図で)
⑤カフに空気を入れる(5〜10mL目安・リークがあれば追加)
✅ STEP 4:挿管後の確認(超重要!)
①EtCO2波形確認(連続した波形=気管、波形なし=食道挿管の可能性)
②胃泡音の確認(心窩部が鳴る=食道挿管)
③胸郭挙上の左右差を視診
④聴診(両肺野・心窩部)
⑤チューブ固定(テープor固定デバイス)
⑥深さの記録(何cmで固定したか)
⚠️ 食道挿管は絶対に見逃さない! 食道挿管は致命的な合併症。EtCO2波形が最も確実な判断材料です。詳細は食道挿管の回避記事を参照。 
実施者の視野としてはこんな感じです。

🔄 抜管介助の手順と注意点
抜管は挿管の逆手順ですが、再挿管リスクがあるため慎重な準備が必要です。看護師としては「抜いたら終わり」ではなく「抜いた後の観察」まで責任を持ちます。
📋 抜管前の準備
①再挿管物品を準備(必要時すぐ対応できるように)
②酸素投与の準備(フェイスマスク・高流量O2)
③吸引セットの準備(口腔内・気管内)
④医師・他看護師に抜管のタイミングを共有
⑤抜管基準の確認(意識レベル・自発呼吸・酸素化)
🩺 抜管の実施
①口腔内吸引で分泌物を除去
②気管内吸引でチューブ内の分泌物を除去
③カフの空気を抜く(シリンジで完全に引く)
④患者に深呼吸を指示(意識あれば)
⑤吸気に合わせてチューブを一気に抜く
⑥酸素マスクで酸素投与開始
👁 抜管後の観察
①呼吸状態(SpO2・呼吸数・努力呼吸の有無)
②喉頭浮腫の兆候(stridor・嗄声)
③意識レベルの維持
④嚥下・咳嗽の確認
⑤抜管後30分〜2時間は頻回観察
🚨 抜管後の再挿管兆候
SpO2低下・努力呼吸・stridor・意識レベル低下が出たら医師に即報告。再挿管の準備を整えてください。
💡 人工呼吸器管理後の抜管について
ICU等で人工呼吸器管理後に抜管する場合は、SAT(自発覚醒トライアル)・SBT(自発呼吸トライアル)・カフリークテストなどの離脱プロトコルを実施します。詳細は別記事で解説予定です。
❓ よくある質問|気管挿管の介助
Q1. 気管挿管の介助で看護師は何を準備する?
物品10点(喉頭鏡・スタイレット・気管チューブ・潤滑剤・カフシリンジ・固定テープ・聴診器・吸引セット・バイトブロック・EtCO2)とポジショニング・ベッドの高さ調整・薬剤・モニターの準備です。準備が成功の8割を決めます。
Q2. 気管チューブの太さ(サイズ)の目安は?
男性は8mm、女性は7mmが一般的です。FrではなくID(内径mm)で示されます。小柄な方や小児では施設プロトコルに従ってください。
Q3. 挿管の適応は?(MOVESとは)
Maintain Airway(気道確保困難)、Oxygenation(低酸素血症)、Ventilation(換気障害)、Expectoration(喀痰不良)、Shock(ショック)。この5つのどれかに該当する場合に挿管を検討します。
Q4. スニッフィングポジションって何?
枕で頭を持ち上げ、顎を前に突き出す体位です。口腔軸・咽頭軸・喉頭軸を一直線にすることで声門が見やすくなり、挿管成功率が上がります。
Q5. 挿管後の確認で一番重要なのは?
EtCO2(呼気終末二酸化炭素)の波形確認です。連続した波形があれば気管挿管、波形なしor乏しい場合は食道挿管の可能性があります。胃泡音の確認も併用します。
Q6. 抜管介助で看護師が気をつけることは?
①再挿管物品の準備、②口腔内・気管内吸引の実施、③カフ空気抜去の確認、④抜管後の呼吸状態観察(30分〜2時間は頻回)、⑤stridor・嗄声など喉頭浮腫の兆候チェック。
Q8. 心停止(CPA)時の挿管タイミングは?
BVMで換気できていれば急がないのが原則です。CCF(胸骨圧迫時間比)を下げないことが救命率に直結します。詳細は
心停止中の挿管タイミング記事を参照。
まとめ
動画ではテープの固定まで撮影しています。
必要な物品から順番をイメージできるようにしておきましょう。
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🎯 気管挿管介助を実践で学ぶ
気管挿管介助はシミュレーションで繰り返すことでしか身につきません。急変対応.netの看護師特化コースでは、臨床に即した挿管介助の訓練を提供しています。
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