急変対応セミナープレテストのフィードバックをしていきます。
今回は『第一印象の評価』について
第一印象の評価とは?
患者の初期評価で用いる体系的アプローチは、第一印象の評価(迅速評価)→1次アセスメント(ABCDE)→2次アセスメントと進行していきます。その中でも第一印象は数秒で観察します。
外傷コースでは橈骨動脈に触れたりするよう指導しているところもあると思いますが、全ての患者にこの通り実施するのは現実的ではありません。
評価する観察項目
第一印象の評価は、ぱっと見の印象で意識、表情、顔色、努力呼吸の有無を含めた呼吸様式などを観察します。具体的な観察項目は以下の通り
- 発声ができていれば気道は開通
- 耳で聞こえる異常な呼吸音があれば気道は閉塞している?
- 呼吸数を数えるのではなく、速いか遅いか?
- 橈骨を触るのではなく、顔色、冷汗などを察知して大まかな循環を評価
この評価を使うと何がいいのか?
それは、おおよその緊急度や重症度がわかるところです。
- 呼吸が苦しそうだけど、主訴はなんなんだろう?
- お腹を押さえていて痛そうだけだな
- いつも通り良い笑顔だな
なんてことを考えながら患者に接触していくことができます。 また、ベッドサイドに訪室時、第一印象が問題なければすぐにバイタル(1次評価)を測りませんよね? でも例えば
- 意識はありそうだけど顔色も悪い
- 冷や汗をかいてる
このようなやばい所見があれば、直ぐに橈骨で脈を触知しなければなりません。 その結果、
- 脈拍が弱い、末梢もじっとりして冷感があるからやっぱりショックだ!
- 脈はよく触れてるけど速いからモニターつけたり血圧測らないと!
このような状況の場合は、脈を触知しながら1次評価をはじめていきます。ということで今回は第一印象の評価についてでした。 何のために体系的アプローチという概念や思考過程で行動しているのか?そんなことを考えながらセミナーを提供していきたいと思います。