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AHA 蘇生ガイドライン2025が公表されました

投稿日:

📢 30秒でわかる|AHA蘇生ガイドライン2025
📅 公表日:2025年10月21日(米国)・AHAが全面改訂
🔄 心停止アルゴリズム:大きな変更なし(VF/pVTとPEA/Asystoleの2ルート継続)
💉 薬剤ルートIVファーストを明文化(困難な場合のみIO)
心房細動の電気ショック≥200J(高めが望ましい)と明確化
🔍 POCUS:熟練者が圧迫中断せず行える場合のみ「考慮可」
💥 多形性VT:常に不安定 → 直ちに電気ショック
🆕 Head-up CPR:臨床試験以外では非推奨
📚 ACLSコース:準備でき次第、暫定版G2025へ移行
📝 監修・執筆
万波 大悟(まなみ だいご)
診療看護師(NP)/AHA-ACLSファカルティ/元 救急看護認定看護師/日本救急看護学会 評議員/AHA-BLSコースディレクター
所属:急変対応.net(代表)/提携ITC:JSISH-ITC

はじめに

AHAは2025年10月にCPR/ECCガイドラインを全面改訂しました。本記事では成人ALS(Part 9)を中心に、2020年版からの変更点を整理します。ハイライト文書は日本語でも読めますので参照ください。

主なAHA 蘇生ガイドライン2025の心停止のアルゴリズム

心停止のアルゴリズム自体には日常の蘇生対応を変えるような大きな変更点はありません。

心停止のアルゴリズムの解説はこちら

心停止中の原因検索に関連する話題としては蘇生中のエコーについて記載されてました。

POCUSの扱いを明確化
中断なく実施できる熟練者に限り「考慮可」(可逆的原因の診断目的)。
中断や技能不足があるなら勧めない。 

POCUSとはポイントケア超音波検査(Point-of-Care Ultrasound)でサクッと見る超音波です。心停止中の可逆的な原因の診断目的として中断なく実施できる熟練者に限り「考慮可」となっています。

📊 G2020 → G2025 変更点まとめ
項目G2020(従来)G2025(新)
薬剤ルートIV/IOほぼ並列IVファースト明文化、困難ならIO
心房細動の同期カルディオバージョン初期エネルギーの数値は曖昧≥200J(高めが望ましい)と明確化
POCUS(ポイント超音波)言及少熟練者が圧迫中断せず行える場合のみ「考慮可」
多形性VT場合分けの記述常に不安定 → 直ちに電気ショック
DSED/ベクターチェンジ研究段階「有用性未確立」・研究課題として位置づけ
Head-up CPR研究段階臨床試験以外では非推奨
心停止アルゴリズムVF/pVT、PEA/Asystoleの2ルート同じ(大きな変更なし)
💡 臨床看護師が押さえる最優先ポイント
①IVファースト:安易にIO選択せず、まず静脈路を試みる
②多形性VTは迷わず電気ショック:従来の「場合分け」は不要
③心房細動のカルディオバージョン:200J以上を意識

主なAHA 蘇生ガイドライン2025の要点

心房細動/粗動の同期カルディオバージョン初期エネルギーは「高め(≥200J)」が望ましいと明確化。従来より数値をはっきり提示して推奨の重みが増した。 

DSED(2台の除細動器で連続電気ショック)/ベクターチェンジ(VC)は「有用性未確立」:日常実装は推奨せず、適応・技術最適化の研究課題と位置づけ。

Head-up CPRは臨床試験以外では推奨せず。

POCUSの扱いを明確化中断なく実施できる熟練者に限り「考慮可」(可逆的原因の診断目的)。中断や技能不足があるなら勧めない。 

薬剤投与ルートはIVを第一選択、困難なら骨髄路(IO)と優先順位を明文化(大規模RCTの結果も踏まえ記述を更新)。 

多形性VTは常に不安定 → 直ちに電気ショック(遅延は転帰悪化)と明示。 

ACLS1日コースも準備ができ次第、暫定版2025へ移行

今回は以上です。

自己心拍再開後(ROSC)のケアや徐脈・頻拍についても準備でき次第G2025の内容に触れたいと思います。

❓ よくある質問|AHAガイドライン2025
Q1. G2025はいつから現場で適用されますか?
AHA公式発表は2025年10月21日です。G2025暫定コースは2026年3月31日まで許容され、それ以降は完全にG2025版へ移行します。臨床現場では発表と同時に対応を開始することが推奨されます。
Q2. G2025で心停止アルゴリズムは変わった?
大きな変更はありません。VF/pVT(左ルート・ショック適応)とPEA/Asystole(右ルート・ショック非適応)の2分岐は継続です。日常の蘇生対応の基本は従来通りです。
Q3. IVファーストとはどういう意味?
薬剤投与ルートは静脈路(IV)を第一選択とし、確保が困難な場合のみ骨髄路(IO)を検討、という優先順位が明文化されました。従来はIV/IOがほぼ並列の扱いでしたが、大規模RCTの結果からIVの方がIOより薬剤効果が高い可能性が示されたためです。
Q4. 多形性VTで「直ちに電気ショック」とは?
多形性心室頻拍(polymorphic VT)は常に不安定と判断し、遅延せず同期電気ショックを実施します。従来の「場合分け」は不要で、発見次第すぐショックです。遅延は転帰悪化につながるため明確化されました。
Q5. POCUSは心停止中に使っていい?
熟練者が胸骨圧迫を中断せず行える場合のみ考慮可です。可逆的原因(心タンポナーデ、気胸など)の診断目的で有用ですが、圧迫中断や技能不足があるなら推奨されません。自信がないなら圧迫を優先しましょう。
Q6. 心房細動の電気的除細動は何Jで行う?
200J以上(高めが望ましい)と明確化されました。二相性除細動器での推奨です。従来は施設ごとにばらつきがありましたが、G2025で統一的な数値が示されました。
Q7. DSEDやHead-up CPRは現場で使える?
どちらも日常実装は非推奨です。DSED(2台除細動器の連続ショック)は有用性未確立、Head-up CPRは臨床試験以外では非推奨とされています。研究の進展を待ちましょう。
Q8. ACLSコースのテキストはいつ更新される?
英語版ACLSプロバイダーマニュアルは2025年10月23日に発売されました。日本語版の発売時期は未定です。急変対応.netのACLS1日コースは、準備でき次第G2025暫定版へ移行します。
📚 参考文献
1. American Heart Association. 2025 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care. Circulation. 2025.
2. AHA CPR & ECC Guidelines 2025 Highlights (日本語版). American Heart Association, 2025年10月.
3. ILCOR 2025 International Consensus on CPR and ECC Science With Treatment Recommendations (CoSTR).
4. 日本蘇生協議会. JRC蘇生ガイドライン2025(準備中・2026年春発刊予定). 医学書院.
5. American Heart Association. 2020 AHA Guidelines for CPR and ECC. Circulation. 2020;142(16_suppl_2).
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